銀行借入の要諦
最近、銀行からの通常借入を新規で実施したが、各銀行で判断基準が違う部分と、
ここは同じだな、という部分があり、備忘として記載しとく。
【同じ部分】
銀行決算において貸付先の区分に従い引き当てを積まないといけないため、貸付先が正常債権でないならば、一括返済が必要という感じ。
【違う部分】
●三菱 ここはドライに審査部が会社区分に従い、貸付金利を決める。営業部が決める余地なし。官への貸し出しが多く引けない背景もあり、民間には冷たい。
●SMBC. こちらは営業部が強い。貸し出しは営業部主導で進むも、不況や業績悪化になる前に本部主導で強制的に貸金回収(どこより早い)
貸した傘はすぐ引っ込める典型。
●みずほ こちらは営業と審査部がイーブン。やはり一観、富士の中堅企業へのサポートの厚さが背景にあると思う。ただ官への融資が増えていて、また民でもソフバンみたいな引けない融資もあり、システムトラブルで顧客の信頼は全くない。なんだかな?という印象。
●りそな 頑張っている印象。メガに追いつきたいが、そこまで賢くないが、追いつこうとがむしゃらな感じ。素直な態度なので結構好きです。
各銀行の色合いを知り、押したり引いたりしないと融資は進まないので、交渉の経験は大事ですね。
(なんで大昔のDNAが令和の時代の銀行担当者に引き継ぐのか不明だが笑)
決算早期化(在庫確定)
さて決算早期化で厄介なひとつが在庫額の確定である。
在庫額が翌1営業日に確定できるのか?
1.EC事業
在庫数×下代、なのだが、
厄介なのは在庫の出入りが毎日実施されているかというところが論点になる。システムは勿論導入されているとは思うが、リアルタイムに出庫が反映されておらず、ということがよくある。
物流部門との密なる連携が必須です。
2.飲食事業
食材在庫のカウントを閉店後するこが多いが、従業員も疲れているからか、かなり大雑把。
ビール樽は適当に持ち上げて(半分くらい)みたいな感じで実棚がわかるわけもなく。ただ月次決算では帳簿在庫はカウントせず、想定原価率×売上高で売上原価を算出しておき、実棚を実施する月のみ、月中で棚卸減耗を確定して処理する処理をしておけば、ほぼ正しい売上原価を早めに確定することが可能となる。
3.ゲーム事業
ゲームなどの購買された有償ポイントが消化されていない場合は、前受処理に振り替える必要がある。この場合は購入されたポイントは一旦、全て売上原価で処理し、期末未消化分を前受に振り替える処理を想定してる。その方が原価確定が早くできる。
色々な事業があるが、未使用の商品は在庫に振り替えるだけのことである。ただし、未使用か否か、またその商品の存在場所はどこか?(自社か積送中か?はたまた出荷して客先あるのか?)などのいろんな条件で変わるので、パターン別に判断する基準をもつ必要があると考える。
また、大事なことはシステムに依存しすぎて、実態がどうなのか判断できないとまずいので、人の判断も重要である。
在庫計算は極めて重要であるが、きわめて難しい。
決算早期化(収益確定)
決算早期化の大きな流れは以下のとおりだと考える。
1.収益の確定
①広告取引・・・ビジネスモデルにもよるがアフィリエイトなどを収益元としたビジネスではアフィリエイト管理画面が確定すれば収益は確定する。
また、メディアに出稿してもらい広告取引などを生業にするビジネスでは、いかに早く成果確定できるか、という論点になるが、こちらも広告管理画面の共有化で、収益が確定できる。
②課金ビジネス(ゲームふくめ)
課金はプラットフォームで運営することが多いため、AppleやGoogleのSalesレポートで概算売上額がみれるので、早々に収益確定ができるが、Salesレポートが暦月でなく、Appleカレンダーに依存するので要注意です。(多くは1日程度づれる)
収益にひも付きレベニューシェア(RS)などを協業先と契約している場合、このRSを含めたグロスで売上計上すべきか、差しひいたネットで売上計上すべきか悩ましいが、収益認識基準によって判断すべきと考える。
*収益認識基準とは,
③EC取引
こちらは一般的に出荷しユーザに到着した時点で収益計上なので、受注があり入金あったとしても「出荷」「ユーザが受領」していない場合は「前受金」で処理すべきである。
入金→前受け金
出荷、ユーザ受領→「前受け金」→「売上金」に振り替え。
シンプルに考えると単純なのだが、出荷して「入金待ち」なら「売上」には計上できるが「売掛金」が残るため、勘定をみると、
「現預金」
「売掛金」
「前受け金」
「売上金」
が混在しており、この整理を毎月おこなっておかないと、何が正しい売掛残高か、前受分はただしいか? と複雑骨折を起こす。この整理をできていない会社が多いのは、意外に知られていない。
なかなか奥深いものである。
決算早期化(経費精算の自動仕訳)
決算早期化の手法は数々あれど、目先で効果があるは経費精算の自動化ではないだろうか。また、2022年1月よりの電子帳簿保存法の改正で「紙」の領収書が不要になった影響もあり経費精算システムの導入も後押ししている。(ただ不正防止対策まで対策が取られたものが少ない。国税局の税務調査で役員、幹部社員の経費は一応のチェックがあるため、こちらは別途考える必要があるかと思います)
各社経費精算のシステムは導入済だと思うので、そこから先の自動化の取りくみについて解説したい。
1.経費精算システム
TVCMで最近よく宣伝させていてる製品があるが各社各様であるかと思う。
①楽々精算
この連携は各社のフォーマットにあわせたCSVを出力して、取り込む感じです。
自動仕訳・会計ソフト連携/仕訳や会計ソフトへの入力作業がゼロに|「楽楽精算」
気になるのは、会社で設定している「部門」「補助」等の設定まで網羅できているか、という感じですか。特殊設定は別途費用はかかるかも、ですね。
2.ジョブカン経費精算
こちらはコストが安いもサーバが不安定で使い勝手が良くないかもしれない。
経理システムとの連携はできるとみたいだが、WEB紹介ページをみただけでは不明瞭。
3.Concur Expense
こちらは外資系だからか設定は超難解。
ただ、設定だけしまうと痒いとこに手が届く仕様であり、コーポレートカード(VISA)とは自動連係しているので、カード利用明細がコンカー明細に自動反映するので、便利である。やはり大企業向けですね。
各社のよし悪しと、会社の方向性とのマッチをかんがえて
また、経費精算をするのは現場担当者だと思うので、スマホで完結するユーザビリティもようよく考慮して導入の意思決定をしたほうがよいですね。
*導入コンサルも請け負っています。
混合配当
決算が終わり総会の季節になる。
毎度、子会社から親会社に配当という形で資金を吸い上げるのだが、会社により配当可能利益(通常は利益剰余金)が少なく、それでもキャッシュがあり、資本剰余金から配当ということも検討しなければならない。
(もちろん、資本からの配当は特別決議が必要)
ここで利益剰余金からと、資本剰余金からの配当が混在するのが「混合配当」と言われるが、そこから差し引く源泉税が少し複雑で、利益剰余金は単純に源泉税20.42%(非上場)を差し引き支払うのだが、資本剰余金は「資本の払い戻し」なので、
配当額−(税務上の)資本払い戻し額=
これを「みなし配当」という、
から源泉税20.42%(非上場)を差し引き、支払うことになるのだが、
最高裁の判決で、
資本剰余金の計算元になる配当額は、利益剰余金のものと同額みたいで、従前は
配当額100円=利益剰余金70円+資本剰余金30円
ならば資本剰余金30円を基に「みなし配当」を計算してたが、そうではなく100円を基に計算しなければないないらしい。
(過去の間違いは5年に遡り更生)
令和3年判決
国税庁のHP
https://www.nta.go.jp/ information/other/data/r03/ saikosai/index.htm
気をつけていかないと。