★ベンチャー経理財務の日々★

日々の経理財務を綴ります。

混合配当

決算が終わり総会の季節になる。

 

毎度、子会社から親会社に配当という形で資金を吸い上げるのだが、会社により配当可能利益(通常は利益剰余金)が少なく、それでもキャッシュがあり、資本剰余金から配当ということも検討しなければならない。

 

(もちろん、資本からの配当は特別決議が必要)

 

ここで利益剰余金からと、資本剰余金からの配当が混在するのが「混合配当」と言われるが、そこから差し引く源泉税が少し複雑で、利益剰余金は単純に源泉税20.42%(非上場)を差し引き支払うのだが、資本剰余金は「資本の払い戻し」なので、

 

配当額−(税務上の)資本払い戻し額=

これを「みなし配当」という、

から源泉税20.42%(非上場)を差し引き、支払うことになるのだが、

 

最高裁の判決で、

資本剰余金の計算元になる配当額は、利益剰余金のものと同額みたいで、従前は

 

配当額100円=利益剰余金70円+資本剰余金30円

 

ならば資本剰余金30円を基に「みなし配当」を計算してたが、そうではなく100円を基に計算しなければないないらしい。

(過去の間違いは5年に遡り更生)

 

令和3年判決

国税庁のHP

https://www.nta.go.jp/ information/other/data/r03/ saikosai/index.htm

 

気をつけていかないと。

 

 

 

子会社同士の合併

100%子会社同士の合併がよくある(というより少数株主がいないので調整事項がなく、やりやすい)

 

法務的にはどちらかを存続法人とする吸収合併になる。

 

他の論点として

会計:共通支配下の取引、適格合併(簿価引き継ぎ)
税務:100%グループ内再編、適格合併(簿価引き継ぎ)
法務:簡易合併。1か月催告。
労務包括承継なので労働契約を引き継ぐ。

 

当社はネット系企業なので、消滅法人のネットサービスの閉鎖等、ユーザに告知してポイント返還などの実務が伴うので、法的にはひと月でもユーザビリティを考えると数か月の猶予期間があたほうがよいとの判断もあり、経営目線とは乖離するので、難しいかとよく考える。

少数株主の排除(スクイーズアウト)

ベンチャー企業は立ち上げ当初から資金不足にあり、外部からの資金を積極的に投入することが多い。その結果、多種多様な株主が混在し、時間が推移することによって意見の対立も生じ、整理の必要がでてくることもあるかと思います。

 

少数株主の整理のスキームは多くありますが、よくある論点2つを紹介したい。

 

 

1.スクイーズアウト (株式併合)

少数株主が端株になるように株式を併合し、端株については競売するか任意売却(会社が金銭を支払って取得)することです。

 

(注意点)

少数株主が株式の併合そのものに不満があるときは、株式の併合を議案とする総会決議そのものについて差し止め、無効確認などの訴訟が起こされることがあります。

 

(買主の視点)

現金買取による少数株主へのスクイーズアウトはH29税制改正後も適格株式交換に該当しないことから買取法人側は連結納税加入時に時価評価、欠損金の切り捨てが必要である。→時価評価益は法人税課税だが売却や除却のタイミングで回収可能である。

(但し、単元未満株式の買取の場合は、時価評価は不要)

 

(売主=個人の視点)

非上場株式の配当所得として総合課税

  (みなし配当課税の対象外・改正会社法

 

時価の妥当性)

少数株主からの買取価格は税務上適正評価額で実施すれば実務で当局から指摘されることは少ない。(株価算定は必要)

 

(会計処理)

追加取得の資本連結時の差額について、その他資本剰余金(BS)とする

 

 

2.スクイーズアウト (特別支配株主の株式等売渡請求)

対象会社の特別支配株主が,対象会社の少数株主の有する株式の全部をその承諾を得ることなく,金銭その他の財産を対価として取得し,少数株主を閉め出すこと。

 

(注意点)

株式の買取価格につき折り合いがつかない場合には,当該価格は,最終的に裁判所が決定することとなります。そして,裁判所の決定する株式価格は,税務上の株式の評価とは異なり,特段の事情がない限り,継続企業であることを前提とした株式評価方法(DCF法等)を用いて算出されるのが主流であって,想定以上に高額化する傾向がある。

 

(買主の視点)

現金買取による少数株主へのスクイーズアウトはH29税制改正後も適格株式交換に該当しないことからCAMは連結納税加入時に時価評価、欠損金の切り捨てが必要である。→時価評価益は法人税課税だが売却や除却のタイミングで回収可能である。

 

(売主=個人の視点)

非上場株式の配当所得として総合課税

  (みなし配当課税の対象外・改正会社法

 

(会計処理)

追加取得の資本連結時の差額について、その他資本剰余金(BS)とする

 

この2つの手法は強硬派なので、できることならば、話し合いで解決するのが望ましいです。話し合いで売渡価格が決まれば、それが時価になるので税務上は問題ないですが、ここが一番難しいところでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入金督促の要諦

皆さんは得意先への入金督促をした事があるだろうか。

 

この時期、コロナ禍でどこも資金繰りが厳しく、中には売掛を延長してほしい、とか

分割入金して欲しいとかの要望を受けることもあるだろう。

 

若手の経理の方は、記帳や申告事務が中心であり、交渉事には慣れていないかと思う。

 

ただ、現場が獲得した収益を現金回収するまてがビジネスであり、経理マンもそれを支援すべきだと思う。

 

片や、義理人情ではビジネスは解決できないので最終的には差押等の法的手続は準備しながら、相手先には丁寧にな対話を継続すれば、分割でも無事回収出来ることが多い。

 

要諦は相手の立場に立ち、こちらの社内調整とバランスを見ながら、丁寧に対話することだと思う。

 

■本日に某プロジェクトが終わったのを受けて。

■40歳代の転職について

皆さんは転職をしたことがあるだろうか?

コロナ禍の中でも人材募集会社の広告をよく見るので世の中そんなに不景気でもないような気がする。筆者の働くインターネット企業でも営業部門、管理部門で採用活動をしており、募集者の面接もよく実施している。

 

転職者の平均年齢は募集部門にもよるが、エンジニアでは20歳代から、営業部門は20歳後半~30歳代。管理部門は専門能力が必要なため30歳後半~という印象だ。

 

■では40歳代の転職どうだろうか。

 

40歳代になると突出した過去実績があり、それを転職先でも活かせるか、

今迄の人脈を活かして、これからの期待値が評価され、高待遇(年収、ポジション)で採用されることが多い。

 

では、そのような経験、人脈がなければ40歳代では転職できないのだろうか。

40歳代でも各企業の採用ニーズにマッチすれば転職も可能だ。特に若手にアドバイスができ、育成できることが期待できるなら好待遇で採用される。

 

筆者も35歳で運送業からネット企業の管理部門に転職し、43歳で別の会社の管理部門へ転職し10年以上も部下の育成と企業成長へ貢献を目標として働いている。

 

■40歳代の転職は注意しなければならない。

 

40歳代に転職しようと考える人は、潜在的な能力が高く上昇志向が強い印象だ。そのような人材は、採用側企業でも欲しい人材ではあるが、希望年収が総じて高額だ。

高額なコストを支払って採用するので採用する側も失敗は許されない。面接を通じて重視するのは採用後の働き方、つまり社風とマッチするかという視点である。

転職者としては年齢的に次の転職は余程のことがない位ないと考えて、その会社に骨を埋める気持ちで転職しないと失敗する。

 

■転職の失敗例

部下のA君は当社に転職してきて5年になり、ことし40歳を迎えた。彼には家族がいて住宅ローンも残っている。いまの仕事は事務職で毎日のルーチンワークが中心で、年2回の昇給率は軽微だ。彼は自身の業務の効率化のためシステム構築などで会社貢献していた。

 

彼の転職のキッカケは、昇給額が毎年わずかで、将来の家族のことを思うと、転職で年収を上げていきたいということだった。幸運にも転職サイトを覗いていたら人材コンサルタントからオファーがきて、転職先の管理職に接触し雑談と称する「面接」を重ねて、最終面接後に筆者に転職希望の打診をしてきたのだった。

 

彼の残念だったことは、転職の第一目標が「お金」であり、「働きがい」が目標ではなかったことだ。このような人間は次の職場でも「お金」を求めて翻弄する。結果として「お金」も「働きがい=成果」を得られないまま現職に縛られたままである。(後日談だが転職先企業の提示額は現職と変わらずだった。転職先企業は目先のお金より、長らく働いて成果を出すことを求めた。彼の能力なら将来大きく年収もあがっていったと推測できる)

 

■まとめ

確かに転職すると年収は一般的に増加する。ただし、「お金」を第一目標にすると転職結果は悲惨なものになることが多い。転職の意味は今より大きな職場で、自分の能力を更に発揮して、日本経済発展に貢献することであることを忘れてはいけない。

 

40歳代の転職におけるコツ、具体的な転職事例などは、以下のサイトで数多く紹介されているので、具体的な行動を検討する方はぜひ参考にしてほしい

セカンドゴング|40代の転職を応援するメディア

会計資格を保有している方の一般企業での働き方、年収についての考察

最近は監査法人を退職して一般企業に就職する人が増えてきた。新卒で監査法人に就職するも、やはり自身で実務経験を積みたい要望を持ち希望をもってやってくる。

 

CPA公認会計士)も日本の監査法人を退職してくるJPCPAと一般企業で働きながら会計専門資格としてUSCPAを取得した人との2つのパターンがある。

 

前者のJPCPAは合格率10%台、勉強時間も3000時間と超難関資格で、大学生から勉強している方も多く、社会人から受験するのは厳しい印象だ。 それに比較してUSCPAは800-1500時間程度で科目合格制を導入しており、合格率も約50%とのことで、社会人でも十分に合格できる資格だと思う。また、昔は海外に行かないと受験できなったが、いまは日本国内でも受験可能だ。

 

今回は一般企業で働くCPAの働き方と年収を紹介したいと思う。


監査法人を退職して一般企業に転職するCPAは年齢的に30歳前後が多い印象で実務経験がないことが多い。とりあえず子会社数社の記帳業務から始めながら子会社CFOとして経営者と共同で事業運営に携わってもらう。そうして経験を積みながら連結決算実務や親会社の経営判断が必要となる経営企画ポジション等に就くことも可能だ。

 

一方、USCPAホルダーの働き方は、海外の監査法人で勤務し監査するイメージがあるかと思うが、昨今は日本の一般企業で働いている方も多い。

 

当社は日本企業なのだが、海外に子会社、孫会社、ファンドがあり多々あり、これらの在外子会社も連結決算に組み込む必要がある。

 

海外の決算書は現地特有の税金計算をすべく、現地の会計事務所に決算業務をお任せするのだが、国によっては独特な会計処理と税金計算を導入しており、単純に連結合算をする前に「どのような会計方針」で仕訳をしたのか確認し、必要ならば連結調整仕訳を切る必要もある。

 

そのような現地会計事務所とのコミュニケーションは、基本は英語であり、議論して背景を読み取る必要がある。その役割としてUS基準を熟知したUSCPAの存在は大きく、監査業務ではない業務として企業に貢献できるのは大きいと考える

 

【USAのBS資料】

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インドネシアの元帳】

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また希望すれば海外に数年ほど、海外CFOとしても赴任が可能であり、現地事業運営者と共同で事業運営に携わることも可能である。

 

JPCPAの方は一般企業での経験を経て、税理士資格をとって独立する人も多いのですが、USCPAホルダーは長らく企業内CPAとして活躍することが多いと思う。会社として長らく働き貢献いただく人材は有難い。

 

では年収例をみてみよう。


JPCPAが日本の監査法人に就職すると監査法人スタッフ(勤続1-5年)ならば約300-700万円、シニアスタッフ(勤続5-8年)に昇格すると約800-1000万円となるようだ。最近は働き方改革で残業代がスタッフにはつくも、シニアには付かないとも聞く。ある監査法人では22時になるとサーバのネットワークが強制遮断し、帰らざるを得ないが仕事が終わらないという冗談にもならない状態だそうだ。

 

シニアスタッフに昇格したあと、マネージャ(勤続8-10年)で1000-1200万円、シニアマネージャー(勤続10-15年)は1200-1600万円、パートナーでは1600万円-2000万円となるようだ。但し全員がマネージャになることはなく、一旦ここでふるいにかけられる。
参考:https://tenshokupicks.jp/companies/deloitte_audit/1768/

 

一方USCPAの年収はどうだろうか。
アメリカ企業で勤務すると初年度の平均給与500万円~であり、監査法人ならばマネージャクラスで勤続8-10年1000万円ほどだそうだ。当社の場合30歳で約800万円~となっている。

 

■総括
社会人が働きながらJPCPAを取得するのは極めてハードルが高く、USCPAならそれも可能だと思う。この専門資格を取得することで、英語力が一目置かれ、グローバル経営についても更に知見が広まると思う。海外現地スタッフとのコミュニケーションも楽しくなり、経理屋視点という狭い見方よりも経営者視点に移ることと思う。

 

我々は現場と違いマネタイズすることはできない。


但し、先を見据えた戦略とそれを実行する戦術案を提供することはできる。それに資するためには常に新しい知識を取り入れ、自身の血肉にしていかなければならない。

 

経理マン(ウーマン)は経理周りについては深い知識を勉強し、その周辺領域であるIT(今ならPython)、英語(TOEIC)、法律(ビジネス実務法務検定)は一通りマスターしないとプロではない。一生かけて勉強し、よいアウトプットをしていくべきだ

 

収益認識基準の開示

収益認識基準が導入され各社の開示がでてきたので見てみよう。

 

1.導入前の注記 (セガサミー

(未適用の会計基準等)
当社及び国内連結子会社
・「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準委員会 2020年3月31日 企業会計基準第29号)
・「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準委員会 2020年3月31日 企業会計基準適用指針第30
号)
(1) 概要
国際会計基準審議会(IASB)及び米国財務会計基準審議会(FASB)は、共同して収益認識に関する包括的な会計基準の開発を行い、2014年5月に「顧客との契約から生じる収益」(IASBにおいてはIFRS第15号、FASBにおいてはTopic606)を公表しており、IFRS第15号は2018年1月1日以後開始する事業年度から、Topic606は2017年12月15日より後に開始する事業年度から適用される状況を踏まえ、企業会計基準委員会において、収益認識に関する包括的な会計基準が開発され、適用指針と合わせて公表されたものです。
企業会計基準委員会の収益認識に関する会計基準の開発にあたっての基本的な方針として、IFRS第15号と整合性を図る便益の1つである財務諸表間の比較可能性の観点から、IFRS第15号の基本的な原則を取り入れることを出発点とし、会計基準を定めることとされ、また、これまで我が国で行われてきた実務等に配慮すべき項目がある場合には、比較可能性を損なわせない範囲で代替的な取扱いを追加することとされております。
(2) 適用予定日
2022年3月期の期首より適用予定です。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
影響額は、当連結財務諸表の作成時において評価中です。 

 

 

2.導入初年度 (例は全部セガ

①経過措置

過年度は修正せず利益剰余金で調整して、進行年度に引き継ぐ。

 

会計方針注記。 

(会計方針の変更)
(収益認識に関する会計基準等の適用)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準委員会 2020年3月31日 企業会計基準第29号。以下「収益認識会計基準」という。)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することといたしました。


これにより、一部製品のコンテンツ更新権の販売について、従来はコンテンツ更新権の販売時に一時点で収益を認識する方法によっておりましたが、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、一定の期間にわたり収益を認識する方法に変更しております。また、一部商品の消化仕入れ販売に係る収益について、従来は総額で収益を認識しておりましたが、顧客への財又はサービスの提供における役割(本人又は代理人
を判断した結果、純額で収益を認識する方法に変更しております。
収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っており、当第1四半期連結会計期間の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当第1四半期連結会計期間の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しております。


なお、当第1四半期連結累計期間の損益及び利益剰余金の当期首残高に与える影響は軽微であります。
収益認識会計基準等を適用したため、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」に表示していた「受取手形及び売掛金」は、当第1四半期連結会計期間より「受取手形売掛金及び契約資産」に含めて表示することといたしました。なお、収益認識会計基準第89-2項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度について新たな表示方法により組替えを行っておりません。さらに、「四半期財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準委員会 2020年3月31日 企業会計基準第12号)第28-15項に定める経過的な取扱いに従って、前第1四半期連結累計期間に係る顧客との契約から生じる収益を分解した情報を記載しておりません。

 

③分解情報(セグメント) セグメント情報の下にあるね。

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表示科目(契約資産、契約負債)

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2021年6月第1四半期 決算上の留意事項|EY新日本有限責任監査法人