★ベンチャー経理財務の日々★

日々の経理財務を綴ります。

サイバーエージェント通期決算発表を見ての雑感

本日、サイバーエージェントグループの決算発表がありました。

決算発表を見ての雑感を述べたいと思います。

http://pdf.cyberagent.co.jp/C4751/irQp/TgYI/vSVF.pdf

 

連結売上3,100億円、営利367億円(営利率12%)、純利益136億円

純資産926億円、現預金517億円、時価総額3,900億円、従業員3,971人。

 

これはこれで凄い数字を出していますね!さすがネット界の雄です。

さて、中身を見ていきましょう。

 

昔からある、広告事業は営利145億円ですね。

いまはインフィード広告と動画広告中心のようです。売上高は1700億円。連結売上の半分以上は稼ぎます。但し、広告代理店の利益率はもともと期待できないですが、(営利率8.5%)やはり雄は売る力が凄いです。

 

インフィード広告先の媒体は今はLINEが強いようです。LINEの広告枠を取れるだけ凄いですね。

 

動画広告Facebook,LINE,Twitterとメディア3強を押さえています。さすがサイバー!

動画のクリエイティブとか広告単価はどうなんでしょうか。強いメディアなら高くても売れるのでしょうか。その部分は資料から見えませんね。

 

続いての(というかよく稼げているな・・・)事業は、

ゲーム事業の売上1,226億円、営利304億円、営利率25%ですね

ゲームは昔は側ゲーばかりでしたが、他社との提携でしっかりネイティブを造っており、かつ息の長い「戦国炎舞」や「ドラクエモンスター」「グランブルファンタジー」などが貢献しているようです。他社の提携モノは利益分配だと思われますが、自社でコケルリスクがヘッジできるので、それはそれでアリかと思います。

 

ゲーム業界のシェアをみると

1位:MIXI

2位:バンナム

3位:サイバー 4位:コロプラ 

5位以下:Gumi、KLab,マーベラス、クルーズ

と貢献していますし。

 

懸念点は新しいゲームが利益を支える存在になれるのか、というところでしょうか。

新しいツール(VRでのゲーム)など競争相手は増える一方ですので、サイバーもVRとかに走るかもしれませんね。楽しみです。

 

さて問題のメディア事業はどうでしょうか。

こちらはAmebaTVへの投資がデカイです、この1年間で100億円の赤字です。

1000万DLやMAU600万と伸びてはいますが、(まだ)課金しているわけでなく、動画広告もこれからでしょうか。いまの進行期で200億円投資して(赤字)でコンテンツ充実を図るようです。

 

これから課金&広告枠を売って進行期の投資総額300億の回収を図るようですが、若者がスマホや新しいデバイスでTVを見るのでしょうか。もっとも魅力的なコンテンツが揃えば、またYouTuberのようにマネタイズ&表現力の強化ができる番組になれば、媒体力がつき、広告主が増える効果も期待できそうです。

 

進行期の目標は、

連結売上3600億円、営利280億円

営利は実績367億円から90億円下がります。

 

内訳は、

・既存事業(広告、ゲーム)は営利480億円のトントン。

・メディア事業は営利200億円の投資(赤字)

という感じで、金のなる木(広告、ゲーム)から動画事業に更にぶっこんで行く姿は、かつてのブログ・プラットフォームのアメーバにカネをつっこんで、見事に成功した実体験が後押ししているのでしょうか。藤田さんらしいですね。

 

対株主の配当額は利益がさがろうと維持する姿も藤田さんらしいですね。

AmemaTVの成功を祈ります。