★ベンチャー経理財務の日々★

日々の経理財務を綴ります。

英語と会計

グローバルに展開していると英語の決算書に出くわすことも多いし、現地スタッフから現状ヒアリングも少しある。英語は使うて当たり前なのだが、なかなか上達しない。

 

筆者はSkype英会話を長らく(息抜き?)で毎日しており、通算時間は2万時間近い。(しかし、TOEICは点数低い泣)

 

もう10年くらいしてますね。。f:id:jkawakam2002:20210910172713p:image

 

ということで

話す読むは問題ないのですが、Toeicの点数はどうしたら伸びるのだろうか、悩ましい。

配当のパターン(資本剰余金からの配当)

配当を検討するときに、一般的には利益剰余金からの配当が普通だけど、配当可能利益が無い場合は、資本剰余金からの配当を検討すべきです。

 

配当可能利益の計算は、簡単には以下になります。

 

●決算日の総資産100ー負債総額50―資本金等10=配当可能40

 

第7回:分配可能額の算定|会社法(平成26年改正)|EY新日本有限責任監査法人

 

この範囲で配当を実施すれば問題ないのですが、配当を複数回して配当可能利益がなくなった場合には、配当可能利益を増やせばいいのですが、株主総会の決議が必要です。

 

●中間配当、いつでも可能(取締役会決議)

akatsuka-law.

 

資本剰余金からの配当は、利益剰余金からの配当と異なり、「資本の払い戻し」部分と「利益の払い戻し」部分に区分する必要があります。

 

「資本の払い戻し」部分は、配当の受け取り側は「みなし譲渡損益」となり、譲渡所得として計算されます。(それ以外は配当所得)

faq.monex.co.jp

 

「資本の払い戻し」を計算するにあたり、税務申告書別表5(1)から一株株価を算出する必要がありますので、少し厄介ですね。(株主側は@●●円しか源泉徴収票に記載されており、それで判断できます)

 

詳細は別途。

 

 

 

経理迅速化に向けてのシステム構築

経理は月次のルーチン作業が多い。従って経理システムに投入する部分はシステム化して自動仕訳に繋げるのが望ましい。

 

 事業 → 集計化 →経理システム →B/S P/L出力 →次の経営判断へ 

 

この集計化については各法人ではエクセルを利用していることが多いのではないでしょうか。

 

エクセルは素人でも作りやすいが、俗人化しやすい(マクロがよい例)

 

あとデータが多いと固まり易い。

 

ではデータを固まらないように、多量のデータを扱うにはどうすればよいか。

 

著者はKINTONEを使っている。(サイボーズ)

 

これは多量のデータを格納してDB化して、必要データの抽出がしやすい。

(たとえば、従業員の交通費やカードデータなど)

 

VISAなどのカードデータを自動取得し、DBに自動格納し、項目により勘定科目を自動紐付けして、会計システムに投入する。

ちなみに経費データを電子帳簿保存法申請で紙でなくデータで保管すると、倉庫が紙であふれることはない。

 

人件費データならば人事給与計算結果を個人別、部署別にDBに格納し、会計システムに投入する。もちろん、会計士システムと同じ会社なら自動連係するが、他社の人事給与システムでも、KINTONE連携すれば容易になる。

 

預金データも銀行からVALUXで自動取得して、KINTONEに格納し、入金データならば取引先マスターと紐付けて売掛入金処理を自動仕訳できる。

 

ボタン一つで決算がおわるなら、経理作業に付加価値はないので、経理マンは作業でお金を貰うのではなく、経営判断でお金を稼げるようになる。これが本来の経理マンのあるべき姿かと思う。

 

このような姿を進めるにあたりお手伝いしていきたい。

 

 

KAM(Key Audit Matters)についての各社対応状況

2021年3月期から監査報告書上に「監査上の主要な検討事項(Key Audit Matters:KAM)」の記載が強制適用になり、3月決算の開示内容が出そろった。

 

意義としては、「監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項をいう。監査上の主要な検討事項は、監査人が監査役等とコミュニケーションを行った事項から選択される。」(監基報701第7項)とのことで、各社の監査人が何に重きを置くかで内容が違ってくるかもしれない。

 

見積の不確実性が高い内容は、このKAMで議論される内容になると思います。

 

 

 

 

 

では、各社の開示を見ていこう。

 

■SBG(21/3月期) → 収益認識基準とのれん評価がメイン

 

1.通信サービス契約におけるIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用上の重要な判断及び見積り及び収益計上の前提となるITシステムの信頼性
①通信サービス契約におけるIFRS第15号の適用上の重要な判断及び見積り
②収益計上の前提となるITシステムの信頼性

2.重要な組織再編及び企業結合
①Zホールディングス㈱の子会社化の会計方針の決定
②㈱ZOZO株式取得のPPAの適切性
③㈱ZOZO取得ののれん評価

3.単体ではLINEのPPAへの記述(P242)

LINE㈱取得の会計処理と取得対価配分(PPA)における公正価値の適切性(注記3.重要な会計方針(2)企業結合、注記6.企業結合、注記14.のれん及び無形資産)

 

 

DeNA(21/月期) →プロ野球における収益の不確実性とのれん評価(P158)

P162にはDTAの評価についても記載。

 

 

スキルマトリックスの開示について(招集通知)

招集通知の開示に役員別のスキル開示が必要になるようです。

 

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73155790S1A620C2TB1000/?unlock=1

 

スキル・マトリックについては、以下も参考になります。

 

https://focus.kornferry.com/wp-content/uploads/2015/02/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%83%BC_%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%81%AE%E9%96%8B%E7%A4%BA%E7%8A%B6%E6%B3%812021-6.pdf

 

株式時価総額トップ100企業の半数超の企業においてスキル・マトリックスが開示されていることが判明しているそうです。2021/6時点。

 

名前だけの役員はなかなか難しくなりそうですね。

 

外形標準課税(事業税)のワナ

決算期末前には無償増資(利益剰余金→資本剰余金への振替え、資金移動なし)で資本金等を1億円以上にすることで、外形課税が下がるメリットがあるかもしれない。

 

ご存じのとおり、資本金1億円を超えると外形標準課税(事業税)がかかるが、法人税率が下がるので総合的にみて、課税額が下がるメリットもあるという不思議な現象が発生する。(外形標準課税適用法人については所得割の税率が大幅に引き下げられるため)

 

但し、利益剰余金が減るので配当可能額が下がるので、対株主に対しての説明が必要にもなります。。

 

例としては以下をご参照ください。

https://direction-tax.com/post-779/

 

また、外形課税は資本金、人件費にも税金がかかるため、赤字で所得がなくても、税金が発生することもあり、将来計画が安定して黒字であるという条件も見ないといけません。

 

期末前にはぜひご検討ください。

 

収益認識基準、注記と開示

そろそろ3月決算の開示例が出たころか。まとめておこう。

 

 重要な会計方針の注記

 顧客との契約から生じる収益に関する重要な会 計方針として、次の項目を注記する(基準80-2 項) 。
(1) 企業の主要な事業における主な履行義務の 内容
(2) 企業が当該履行義務を充足する通常の時点 (収益を認識する通常の時点

 

セイコーエプソン(79期)

(収益認識に関する注記)
 当社は、プリンティングソリューションズ事業、ビジュアルコミュニケーション事業、ウエアラブル・産業プロダクツ事業に係る製品の製造、販売を主な事業としており、こうした製品の販売については、通常は製品の引渡時点において当該製品に対する支配が顧客に移転し、当社の履行義務が充足されるため、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。

 

 収益の分解情報

 収益の分解に用いる区分を検討する際に、次 のような情報において、企業の収益に 関する情 報が他の目的でどのように開示されているの かを考慮する(指針106-4項)

 

収益を分解するための区分の例として次のもの が挙げられる(指針106-5)

(1) 財又はサービスの種類(例えば、主要な製品ライ ン)

(2) 地理的区分(例えば、国又は地域)
(3) 市場又は顧客の種類(例えば、政府と政府以外 の顧客)
(4) 契約の種類(例えば、固定価格と実費精算契約)
(5) 契約期間(例えば、短期契約と長期契約)
(6) 財又はサービスの移転の時期(例えば、一時点 で顧客に移転される財又サービスから生じる 収益と一定の期間にわたり移転される財又は サービスから生じる収益)
(7) 販売経路(例えば、消費者に直接販売される財と 仲介業者を通じて販売される財)

 

富士通(121期)

 すごくしっかり書いている。

(16)売上収益

① サービスに関する売上収益

サービスの提供は、通常、(a)当社グループの履行によって提供される便益をその履行につれて顧客が同時に受け取って消費する、(b)当社グループの履行が資産を創出するか又は増価させその創出又は増価につれて顧客が当該資産を支配する、又は、(c)当社グループの履行が他に転用できる資産を創出せず、当社グループが現在までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利を有している場合のいずれかに該当するため、一定の期間にわたり充足される履行義務であります。サービスの売上収益は、履行義務の完全な充足に向けた進捗度を合理的に測定できる場合は進捗度の測定に基づいて、進捗度を合理的に測定できない場合は履行義務の結果を合理的に測定できるようになるまで発生したコストの範囲で、認識しております。

 

一括請負などの成果物の引渡し義務を負うサービス契約(システムインテグレーション等)では、契約の履行において、当社グループでコストが発生し、作業が進捗していくことに伴い、当該顧客のためのオーダーメイドなサービスが完成に近づき、顧客が使用できる状態に近づいていくため、原則としてプロジェクト見積総原価に対する連結会計期間末までの発生原価の割合で進捗度を測定する方法に基づいて売上収益を認識しております。ただし、契約開始時に当社が履行する義務に関してマイルストーンが定められている場合は、当該マイルストーンの達成に基づいて売上収益を認識しております。

 

継続して役務の提供を行うサービス契約(アウトソーシングサービス、保守サービス等)は、顧客の要求に応じたサービスを契約期間にわたって提供しております。顧客の要求に迅速に対応するため常に役務が提供できる状態で待機しておく必要があることから役務の提供は待機状態も含めた一定の期間にわたって行われているため、サービスが提供される期間に対する提供済期間の割合で進捗度を測定する方法に基づいて売上収益を認識しております。また、アウトソーシングサービス、保守サービス等のうち単位あたりで課金するサービス契約では、サービスの提供が完了し、請求可能となった時点で、売上収益を認識しております。

 

なお、契約当初に見積もった売上収益、進捗度又は発生原価に変更が生じた場合は、見積りの変更による累積影響額を、当該変更が明らかとなり見積り可能となった連結会計期間に純損益で認識しております。

 

② ハードウェア・プロダクトに関する売上収益

ハードウェア・プロダクトを単体で提供する場合は、通常、履行義務が一定の期間にわたり充足されるものでないため、一時点で充足される履行義務であり、その支配を顧客に移転した時点で、取引価格のうち履行義務に配分した額を売上収益として認識しております。支配が顧客へ移転した時点を決定するにあたり、(a)資産に対する支払を受ける権利を有している、(b)顧客が資産に対する法的所有権を有している、(c)資産の物理的占有を移転した、(d)顧客が資産の所有に伴う重大なリスクと経済価値を有している、(e)顧客が資産を検収しているか否かを考慮しております。

 

サーバ、ネットワークプロダクトなど、据付等の重要なサービスを要するハードウェアの販売による売上収益は、原則として、顧客の検収時に認識しております。

パソコン、電子デバイス製品などの標準的なハードウェアの販売による売上収益は、原則として、当該ハードウェアに対する支配が顧客に移転する引渡時に認識しております。

一方、ハードの受託製造・製造請負において、当社グループの履行が他に転用できる資産を創出せず、当社グループが現在までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利を有している場合には、履行義務の充足を忠実に描写するような方法を用いて進捗度の測定に応じて売上収益を認識しております。

当社グループは、様々なチャネルの顧客に対して、ボリュームディスカウントや販売インセンティブ(販売奨励金)を含む様々なマーケティングプログラムを提供しております。これら顧客に支払われる対価が事後的に変動する可能性がある場合には、変動する対価を見積もり、その不確実性が解消される際に重大な売上収益の戻入れが起こらない可能性が非常に高い範囲で、売上収益に含めて処理しております。変動対価の見積りにあたっては、期待値法か最頻値法のいずれかのうち、権利を得ることとなる対価の金額をより適切に予測できる方法を用いております。

 

③ ライセンスに関する収益

ライセンスの提供は、(a)顧客が権利を有する知的財産に著しく影響を与える活動を行うことを契約が要求しているか又は顧客が合理的に期待している、(b)ライセンスによって供与される権利により、当社グループの活動の正又は負の影響に顧客が直接的に晒される、(c)そうした活動の結果、当該活動が生じるにつれて顧客に財又はサービスが移転することがない、という要件をすべて満たす場合には、知的財産権をアクセスする権利(アクセス権)として一定期間にわたり売上収益を認識し、いずれかを満たさない場合には、知的財産を使用する権利(使用権)として一時点で売上収益を認識しております。

当社グループにおける主なライセンスであるソフトウェアについては、通常、供与後に当社が知的財産の形態又は機能性を変化させる活動又はライセンス期間にわたって知的財産の価値を維持するための活動を実施する義務を負わず、上記のいずれの要件も満たさないため、使用権として一時点で売上収益を認識しております。

 ソフトウェアがクラウド・サービス上で提供される場合には、通常、それらを単一の履行義務として、クラウド・サービスの売上収益と同じ時期で売上収益を認識しております。

ソフトウェアをソフトウェア・サポートと合わせて販売している場合には、通常、それぞれ別個の履行義務として、ソフトウェアにかかる売上収益とソフトウェア・サポートにかかる売上収益は別個に認識しております。ただし、ソフトウェア・サポートが提供されない限り当該ソフトウェアの便益を顧客が享受することができない場合には、例外的に単一の履行義務として、ソフトウェア・サポートの売上収益と同じ時期で売上収益を認識しております。

単品で販売しているソフトウェアのアップグレード権については、通常、ソフトウェアと当該アップグレード権を別個の履行義務として、当該アップグレード権を提供した時点で売上収益を認識しております。一方、ソフトウェアのアップグレード権がソフトウェア・サポートと統合された形で提供されている場合には、それらを単一の履行義務として、サービスの収益認識と同じ時期で売上収益を認識しております。

 

④ 複合取引

複合取引とは、ハードウェア販売とその付帯サービス、あるいはソフトウェア販売とその後のサポートサービスなどのように複数の財又はサービスが一つの契約に含まれるものであります。

顧客に約束している財又はサービスは、顧客がその財又はサービスからの便益をそれ単独で又は顧客にとって容易に利用可能な他の資源と組み合わせて得ることができる(すなわち、当該財又はサービスが別個のものとなり得る)場合、かつ、財又はサービスを顧客に移転するという企業の約束が契約の中の他の約束と区分して識別可能である(すなわち、当該財又はサービスが契約の観点において別個のものである)場合には、別個の履行義務として識別しております。

取引価格を複合取引におけるそれぞれの履行義務に独立販売価格の比率で配分するため、契約におけるそれぞれの履行義務の基礎となる別個の財又はサービスの契約開始時に独立販売価格を算定し、取引価格を当該独立販売価格に比例して配分しております。独立販売価格が直接的に観察可能ではない場合には、複合取引におけるそれぞれの履行義務について予想コストとマージンの積算等に基づき独立販売価格を見積もり、取引価格を配分しております。

 

⑤ 代理人取引

当社グループが財又はサービスの仕入及び販売に関して、それらを顧客に移転する前に支配していない場合、すなわち、顧客に代わって調達の手配を代理人として行う取引については、手数料を売上収益として認識しております。当社グループが当該財又はサービスを顧客に提供する前に支配しているか否かの判断にあたっては、(a)当該財又はサービスを提供するという約束の履行に対する主たる責任を有している、(b)当該財又はサービスが顧客に移転される前、又は支配が顧客へ移転した後に在庫リスクを有している、(c)当該財又はサービスの価格の設定において裁量権があるか否かを考慮しております。

 

⑥ 契約コスト

契約獲得の増分コストのうち、回収可能であると見込まれる部分について資産として認識しております。契約獲得の増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生し、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。

契約を履行するためのコストが、他の会計方針の範囲に含まれず、契約又は具体的に特定できる予想される契約に直接関連しており、当該コストが将来において履行義務の充足(又は継続的な充足)に使用される資源を創出するか又は増価し、かつ、当該コストの回収が見込まれている場合、当該コストを資産として認識しております。

契約獲得の増分コスト又は契約を履行するためのコストから認識した資産については契約期間にわたって均等に償却しております。

 

⑦ 契約資産及び契約負債

契約資産は顧客に移転した財又はサービスと交換に受け取る対価に対する権利のうち、時の経過以外の条件付きの権利であります。契約負債は財又はサービスを顧客に移転する前に、顧客から対価を受け取っている又は対価の支払期限が到来しているものであります。

 

⑧ 契約における重大な金融要素

長期の前払い、後払い等、ある取引が実質的に重大な金融要素(資金提供の重大な便益が提供されている)を含む場合、売上収益は実効金利を用いて現在価値で測定しております。ただし、契約開始時点で財又はサービスを顧客に移転する時点と、顧客が支払いを行う時点との間が1年以内であると見込まれる場合、重大な金融要素の影響について対価の調整は実施しておりません。

 

⑨ オペレーティング・リース

オペレーティング・リース契約により、顧客が製品を使用することにより生じる売上収益は、リース期間にわたって均等に認識しております。