★ベンチャー経理財務の日々★

日々の経理財務を綴ります。

Voyageグループ 決算発表を見ての雑感

サイバーエージェント・グループの旧関係会社のVoyageグループの決算IRがでていました。

こちらを見ながら議論していきたいと思います。

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1409047

 

だいたいの社歴は以下の感じですね。

・2000年創業、

・2001/9:(株)サイバーエージェントと資本業務提携

・2012/6:ポラリスキャピタルグループ(株)の支援を受けCAよりMBO

・2014/7:東証マザーズへ上場

・2015/9:東証第一部へ市場変更

 

現在は連結13社程度の企業グループで時価総額130億円程度の会社群です。

 

通期売上200億円、営利は17億円(のれん償却前で18億円、、のれんが少ない?)

総資産120億円、純資産60億円、うち現預金30億円と立派な感じです。

 

主な事業は、広告、メディア運営、インキュベート(投資)事業という感じで、バランスがよいです。投資事業は主軸の事業とシナジーが出る動画キュレーション・メディアとかに出資しており、投資したカネが無駄になっていない印象です。

 

広告事業を見てみると、昔でいうアドネットワークですね。広告主とメディアをDSP/SSPツールで繋いでいく感じでしょうか。昨今はスマホの運用型広告がメインみたいですね。これに買収した動画アド・プラットフォームが加勢する感じでしょうか。

 

動画広告についてはCAも「AmebaTV」という巨大メディアがあったり、本家ではYouTubeなど難しい難しい領域ですが、Voyageさんはリアルのデジタルサイネージ(歯医者とか美容院とかに常設するタイプ)など、勝負する領域が違うので勝算もあるかもしれません。

 

メディア事業は、新しくないのですが、ポイントメディアやECナビ、PeXなど、会員巣数が右肩上がりでのびつつも、ベースの利益を積み上げてる印象ですね。

 

インキュベーション事業は、「人材、」「EC」、「FinTecと」

これまた堅実な投資、つまり既存事業とのシナジーが見込まれる投資先をしっかり開拓していますね。FinTecは少し違うかもしれませんが、決済系などを抑えておくと、EC事業との連携が見込まれます。iPhone7のスマホ決済でもそうですが、事業者が金融人口を抑えると将来は鬼に金棒です(笑)ま、出資するにしても少しバブルチックですが・・・。

 

今後の方針ですが、

・大型M&Aをせずに

・既存事業の資源(会員など)を拡大し

・営利率20%を目標に

という感じで、進行期は、

売上230億円、営利12億円(先行投資のため一旦しゃがむ)

をめざしていくようです。実に堅実ですね・・・。

 

IT企業はとかく派手な印象を受けますが、2000年が創業となると企業年齢が

ほぼ20歳となり、(一般論では企業は10年での生存率は3%といこと考えると)

ぞんざいしていることが奇跡?といはいいませんが、当時創業者が20歳代とすると今は40歳から50歳のオッサン、オバサンが会社に居るので、無茶はできないんですね。

 

とはいえ中の社員はエンジニア、デザイナ含め若手もいるわけで、その鼻息も吸い上げないと企業は衰退する。ここはCA含めこのあと10年が見ものでしょうか。

 

我々、おじさんももう少しがんばります(笑)